仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)

 

腰の痛みの中でも起こってしまうと
身動きが取れなくなるほどの痛みを伴う『仙腸関節炎』

そんな仙腸関節炎について説明していきます。 

 
写真の赤いラインが仙腸関節になります。

ここに炎症が起こったものが『仙腸関節炎』です。

 

発生のメカニズム

筋肉などの影響により歪んでしまった仙腸関節に何らかの外力が加わった際に炎症を起こして痛みを発します。

ぎっくり腰の一つでもあります。

  
 
 

症状

症状が出てくる部位は仙腸関節です。

ベルトラインの辺り(お尻の少し上)で痛みを感じます。

 

特に歩行や骨盤に荷重をする動作など腰を使うことに痛みを強く感じます。

また仙腸関節が不安定な結果、多裂筋腰椎部と梨状筋が仙腸関節を安定させようと防御的に収縮するため、ベルトラインより上やお尻のえくぼの辺りに痛みやハリを感じることもあります。

 

原因

骨盤の上部が開いてしまうことにより、骨盤が不安定になってしまうことが症状の大きな原因の一つです。
不安定になってしまった骨盤を安定させるために筋肉の力を借りることになり、腰部に過度な負担をかけるのです。

 

仙腸関節炎を引き起こしてしまう原因は主に下肢からの影響が大きいです。

・骨盤の歪み

・寛骨の動きの制限

・大腿筋膜張筋(ももの外側の筋肉)の緊張

・大殿筋(殿部の筋肉)の機能不全

・骨盤周りの筋の癒着

・殿部の皮膚の癒着

・足部の骨の配列の乱れ

このように骨盤の症状でも骨盤に原因があるものから足部に原因があるものなど様々です。

 
 
 
 

  治療

 
 
 
骨盤が不安定になってしまうことが症状の大きな原因一つなので、
骨盤を歪ませてしまう阻害因子を取り除く必要があります。

そのために必要なのが、

骨盤が左右非対称になってしまっているところを、
骨盤が開くように引っ張っているところを緩めていくこと
です。

そして原因が解消した後に

良くなった状態を維持していくための支える力を培っていくことです。

 

骨盤を整えるために行いたいのが、
当院でも行っている組織間リリースです。

組織間リリースとはくっつき合っている組織と組織を剥がす施術です。
剥がれた組織は本来のスムーズな動きを取り戻し、
骨盤をいい位置に導いてくれます。

そして
骨盤を安定させる筋肉をしっかりと働きやすい状態にすることも重要です。

 
 
 
 

治療の初期は炎症が強いため、
まずは歪みを整えて負担を減らしていきます。

通常、炎症は3日ほどで消えていきます
炎症が消えるまで骨盤を安定させるために
骨盤ベルトを使うのも1つの方法です。

炎症が落ち着いてきたら
普段のクセ(どちらの脚に荷重するかなど)
修正していくことや、
骨盤を安定させる筋肉のエクササイズなどを行い
再発防止に努めていきます。