2023/10/25

4つの機能的腰痛③ 腰部の範囲の広い腰痛について

腰の広い範囲が痛い
それは筋・筋膜性腰痛かもしれません

4つの 機能的腰痛③

 


 

こんにちは!ばばです。

 今回は4つの機能的腰痛③、腰の広い範囲が痛くなる腰痛についてお伝えしていきます。

 

 まずはおさらいから。

 


機能的腰痛とは


機能的腰痛は画像には映らない、姿勢や使い方に問題がある機能障害による腰痛のことです。また言い方を変えれば、自分自身でも適切なエクササイズを行うことで解決することができる可能性の高い腰痛です。

この機能的腰痛は4つに分類されます。


・椎間関節性腰痛
・仙腸関節性腰痛
・椎間板性腰痛
・筋・筋膜性腰痛

 

今回取り上げるのは、腰の広い範囲に痛みを感じる腰痛についてです。

 

 
 
 
筋・筋膜性腰痛

こんな時に痛い場合は筋・筋膜性腰痛を視野に入れてください。

・重いものを持つ
・股関節の屈曲や伸展時
・体幹の前屈や後屈時
・中腰作業
・長時間の立位や座位


動きはじめに痛く、動いているうちに楽になること場合は、まずは筋・筋膜性腰痛を疑います。持続的な筋収縮より筋内圧が高まり、痛みを発します。腰部の広い範囲に痛みがあり、痛みの場所を示すときは指ではなく手のひらで示します。
 
 
 
 
 
 
筋・筋膜性とは
 
筋・筋膜性腰痛とは、筋・筋膜が痛みの原因となって起こる腰痛のことです。
筋肉はわかると思うので、筋膜について簡単に解説をしていきます。
 
筋膜とは、専門的には最近では「ファシャ」と呼ばれるものです。
鶏肉の皮をめくるとみえる白っぽい薄皮のようなものがイメージしやすいでしょう。
 
実際には皮膚と筋肉の間や筋肉の間、さらには内臓や脳の中にもあります。
隙間を埋めたりするもの、と考えるとよいでしょう。
 
ファシアの中でも、最も浅いところにあるのが皮膚と筋肉の間にある「浅層ファシア」や深いところにある「深層ファシア」です。
 
 
 
圧迫や締付け、炎症などが起こると、これらのファシアが硬くなり、皮膚や筋肉の動きが制限されます。
これにより腰部の動きに制限がかかり、働きすぎる筋肉は過剰に働かなければならなくなり痛みを発します。また表層に走行する神経がこのファシアとくっつき合うことにより、痛みを発するようになります。
 
骨盤の上部あたり(腸骨稜)に出る痛みは、神経(上殿皮神経)による痛みの可能性もあります。
 
 
きちんと評価して痛みを出している組織はどこなのか?を絞れるといいのですが、絞れていないとしてもこの先でお伝えするエクササイズにより症状が緩和しない場合は、エクササイズは中止し、医療機関の受診をお勧めします。
 
 
また筋肉は、働きすぎて過緊張になることで、筋内圧が上がり神経を圧迫することで痛みを発します。
 
さらに筋・筋膜性の腰痛は椎間関節性腰痛や仙腸関節性腰痛などその他の機能的腰痛と併発することも多い腰痛です。
 


 

◆どこが痛むか?

腰部に広い範囲で痛みを発します。
椎間関節の痛みは背骨に近く片側に痛みを感じます。
椎間板は神経の関係で背骨の両側に痛みを感じます。

 

4つの機能的腰痛の内、筋・筋膜性腰痛は腰部に広い範囲に痛みを発するためわかりやすい腰痛とも言えます。


上記により筋・筋膜性腰痛が怪しい場合は、疼痛抑制テストを行います。
これにより痛みがなくなるかもしくは軽減することで、筋・筋膜が主犯の可能性が高くなります。

 

立位での前かがみと後ろに反る動作で痛みの有無を確認します。
 
 
◆筋膜(ファシア)の癒着が原因による痛み
浅層ファシアは表層の筋膜なので軽くタッチして皮膚を動かし、前かがみ反るの動作をして確認をする。
深層ファシアは、手で示した痛みの場所の皮膚を軽くつまみ、前かがみ反るの動作をして確認をする。
浅層から行い、深層という順番で行います。
 
前かがみと反る動作の両方で痛みがなくなる場合は、筋膜の癒着が原因と考えられます。
 
また前かがみと反る動作のどちらか一方の動きで痛みがなくなり、でも反対の動きでは痛みが残る場合は、痛みの残る動作で痛みがなくなる疼痛抑制動作をし、有効なアプローチを探ります。
 
 
◆筋肉過緊張による痛み
立位にてお腹に力を入れてもらい、持続的に収縮する。または少し腹筋を使って腰を丸めるように前かがみをしてもらいそれに対して抵抗をかける。力を抜いてもらい、再度前かがみ、反る動作での痛みの有無を確認する。これにより前かがみと反る動作の両方で痛みがなくなる場合は、筋肉の過緊張が原因と考えられます。

また前かがみと反る動作のどちらか一方の動きで痛みがなくなり、でも反対の動きでは痛みが残る場合は、痛みの残る動作で痛みがなくなる疼痛抑制動作をし、有効なアプローチを探ります。
 

 

 


主犯が分かれば、患部にかかる負担をなくしていくアプローチ

となります。

制限させているファシア(筋膜)のストレッチ(リリース)、筋肉のストレッチを行い、あわせて痛みを軽減させる皮膚誘導を自ら行いつつ腰の前後傾を繰り返すことで、筋・筋膜の円滑な運動を引き出すことができ痛みの軽減につながります。
 
 
ファシア(筋膜)の滑走性の向上
ファシア(筋膜)のストレッチ(リリース)は皮膚を掌で抑え筋肉の上を滑らせるように行います。
上下左右と動かし硬いところ、動きの制限があるところをよく行うといいでしょう。
 
注)ただし、ローラー上のものの上に乗りコロコロ転がしほぐすといった方法は私はおススメしていません。これは一時的にはいいですが逆に癒着を増長させてしまうことも起こるからです。優しく行うことがポイントです。ただしくっつき合いが強い場合は多少なりとも痛みを感じるので、無理やり行わないようにしてください。続けていくことで柔軟性は回復します(くっつき合いは解放)。
 
 
 

 

機能的な問題をあげていくと以下の通りとなります。


・腹筋群の機能低下
 後ろに反るときの体の前側の支え力を向上させましょう。

・股関節の可動性の制限
 後ろの反るとき前にかがむときに股関節の前・後側が伸びるようにしましょう。

・胸椎(胸郭)の可動性の制限
 胸部で後ろに反れるようにしましょう。

・上肢及び肩甲帯の可動性の制限
 腕を上げた際に肩の可動域が制限されていることで
 腰を反ってしまっていることが多いので腕を上げやすくしましょう。

 

 

それでは、エクササイズを紹介していきます。

 

腹筋群の機能低下に対するエクササイズ

腰の筋肉を緩める腹筋運動
 https://youtu.be/vWOv4BleLhM

体を前側から守る体幹トレーニング
 https://youtu.be/ZZWNel2I3q8

 

 

股関節の可動性の制限に対するエクササイズ

股関節前側のストレッチ→下臀部のエクササイズ→股関節前側のストレッチの順で行うといいでしょう。時間のない方は下臀部のエクササイズだけでも行ってみてください。

股関節前側のストレッチ 1:58~
 https://youtu.be/oaR2SZoNAvY

下臀部のエクササイズ

 https://youtu.be/rDbaZiGBcIE

※下臀部のエクササイズは下臀部に筋肉の収縮感がなく(もしくは少なく)、腰の収縮感がある場合は中止しましょう。難しいエクササイズなので、うまくできない方もいます。

 

 

胸椎(胸郭)の可動性の制限に対するエクササイズ

ポイントは胸部で反る可動性を向上させることで、腰部への負担を減らします。

ツイスター&アクティブツイスター(下位胸郭拡張エクササイズ)
 https://youtu.be/pXGfeDKMC1Q

 

 

上肢及び肩甲帯の可動性の制限に対するエクササイズ

ポイントは万歳をしやすい(腕を上げやすい)可動性の向上です。

前鋸筋エクササイズ
 https://youtu.be/4VtGy26iOQE

 菱形筋エクササイズ
https://youtu.be/__M2S4qVCWQ

 

 

上記の問題を改善して、後は痛みの患部の腰部軽減させるようコントロールしながら、分散させ動作改善をしていきます。

ただし、今回紹介したエクササイズを行ってみて、芳しく感じない場合や痛みが増すような場合は直ちに中止をしてください。適切に行えていないことが考えられます。

 

 

腰に広く痛みもある場合は今回取り上げた「筋・筋膜性腰痛」と「椎間板性腰痛」を疑いましょう。

腰痛は複数の問題が混在している場合が多いです。
その混在する腰痛に特に絡んでくるのは今回の「筋・筋膜性腰痛」です。
ブログで上げている4つの機能的腰痛を参考にして、1つずつ解消していただければです。

 

 

4つの機能的腰痛

椎間板性腰痛
椎間関節性腰痛
筋・筋膜性腰痛
④仙腸関節性腰痛

 

そのほかの腰痛

椎間板ヘルニア
脊柱管狭窄症
腰椎分離すべり症

 

 

 

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