2023/9/12

セルフ腰痛診断~あなたの腰の痛みただの腰痛ではないかも~

セルフ腰痛診断
~あなたの腰の痛みただの腰痛ではないかも~

 

当院では腰痛関連の方が多く来院しています。

山の中腹にある当院にいらっしゃる方の多くは、痛めてから我慢を重ねて時間がたってから来院される方が多い印象です。我慢を重ねた結果、腰の椎間板などの組織が損傷をしてしまうと、言わるゆる怪我という状態となり、治癒するにはある程度時間がかかってしまいます。

今回は腰痛でもいろいろな症状があり、整骨院や整体に行っても解決しないものもありますので、もし腰に痛みや違和感がある方は、一つ参考にしていただければと思います。

 


腰痛のレッドフラッグ


下記の場合は腰痛のレッドフラッグと言って、速やかに医療機関への受診を勧めることが重要です。


①明らかな外傷(転倒・転落など)後の痛みで日常生活動作が実施しにくい
②夜間など安静にしていても楽な姿勢がない
③強い痛みが下肢の膝下まで放散する
④明らかな筋力低下の存在
⑤会陰部周囲のしびれ,灼熱感,膀胱直腸障害

 


①は脊柱の圧迫骨折の可能性があります。


②は内臓由来の疾患の可能性があります。


③④⑤は急性の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の可能性があります。

 


繰り返しますが、上記の場合は医療機関への受診をしてください。

医療機関への受診が優先ですが、より詳細を解説をしていきます。

 


圧迫骨折について


脊椎圧迫骨折

骨粗鬆症があって骨の弱くなっているものでは、背中の下辺りの胸腰移行部に生じることが多く疼痛が軽度のこともあります。

しかし、尻もちなどの明らかに外力が加わったものでは、通常は骨折のある部位の疼痛を伴います。
体を動かす時に痛みが伴います。

急性の圧迫骨折の場合は、基本的には何もしてあげることができません。
コルセット等で骨折部に負担をかけないことくらいです。あとは病院で痛み止めをもらうことくらいでしょう。

この症状の場合は痛み止めのお薬も大切です。
痛みは苦痛でしかないので、少しでも和らげてあげることができるので、当院では状態により病院の受診を勧めます。

 


内臓由来の疾患の可能性について

 

背中右上部に出る痛み
◆肺炎、肺結核など「響くような痛み」
◆気管支炎など「背中全体に広がる痛み」


中右下部に出る痛み
◆十二指腸潰瘍など「差し込むような痛み」
◆肝炎など「体のだるさを伴った痛み」
◆腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」


腰まわりに出る痛み
◆尿路結石など「間欠的な痛み」
◆卵管炎、子宮外妊娠など「高熱を伴った痛み」
◆子宮内膜症など「下腹部全体の重い痛み」


背中左上部に出る痛み
◆狭心症、心筋梗塞など
「手で握られるような痛み」
◆解離性大動脈瘤、大動脈瘤など
「引き裂かれるような痛み」


背中左下部に出る痛み
◆膵炎、膵臓がんなど「耐え難い痛み」
◆腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」


背骨沿って出る痛み
◆転移性骨腫瘍による病的椎体骨折

 


急性の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症の場合


急性な腰痛による激痛、および下肢痛、下肢の脱力感、膀胱直腸障害がある場合は、速やかに病院にいきましょう。


YouTube等で椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症のアプローチ方法などが上がっていますが、上記のような急性の症状がある場合は、我々徒手療法家には手を出せません。

急性の椎間板ヘルニアは椎間板や脊柱管の靱帯などの軟部組織の損傷が含まれ、組織が損傷していますので、徒手療法では解決できない領域となります。

特に膀胱直腸障害は緊急のオペが必要です。


できることといったら、
しっかりとしたコルセットの処方と病院への紹介状を書くことです。

 

 


器質的な腰痛も手を出しづらいので専門家に相談するといいでしょう。


器質的腰痛とは、レントゲンやMRIなどの画像で原因が分かる腰痛です。
器質的腰痛には、①腰椎分離症、②腰椎椎間板ヘルニア、③変形性脊椎症、④脊柱管狭窄症などがあります。

 

ここまでの腰痛は手を出せない、手を出しづらいものですが、全体の15パーセント程度だと言われています。実際の私の臨床では手を出しています。


特に脊柱管狭窄症は、しっかりと知識をもつことで、どこまで目の前の方を導いていけるのかをお伝えすることができます。

また椎間板ヘルニアも慢性症状の場合は、アプローチが可能です。

分離症は背骨の骨折のようなもので、その現象を徒手的に変えることはできません。

同様に変形したものも変形をもとに戻すことはできません。

ですが、
そういった部位に負担をかからなくすることで症状を解決することが可能です。

 

 

手を出せない、手を出しづらい腰痛は全体の15パーセント程度。
言い方を変えると残りの85%は手を出せる腰痛ということになります。

その腰痛を機能的腰痛と言います。

X-P画像ではわからない腰痛ですね。


機能的腰痛は、4つに分類することができるので特徴さえつかめれば、シンプルなエクササイズで疾病予防や改善に導くことができます。

次回はそんな4つの腰痛の分類を解説していきますね。
ご自身の腰痛がどの腰痛なのか?
何をすればよくなるのか?

それが分かることで、ご自身でも緩和に向けてトライしていただければです。

 

 

 

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